南洋徒然草

南の島へ移住したオヤジの徒然日記

フィリピン永住ビザ獲得への道(5)

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コピーを思い切り濃く印刷して15番カウンターに渡すと、たまたま席が4人分空いたので腰かけて待つことにした。しかし何故この連中は全ての書類を一旦最後までチェックして、不備な点をまとめて申請者に教えることができないのか・・・。工場の流れ作業のように1枚1枚の書類担当が分かれているのか?、それとも何人もの審査官で同じ作業を繰り返しているのか?この混雑具合から見るとたぶん両方同時並行でやってるのだろう。それから待つこと1時間、筆者の番号が書き出された! よおぉし!・・アッ・・また15番カウンター・・脱力・・これで5回目・・。

カウンターのネーちゃんが「あなたの奥さんのパスポートを提出してください」と言った。お前なぁ・・だったら一番最初の段階から配偶者のパスポートを提出しろって言えばいいだろうが!。とその時ぼんやりと筆者の脳裏に疑念がわいてきた。この連中は能力的に仕事が遅いのではなく、能力を駆使して仕事を遅くしていのではないか。昔のソ連コルホーズや国営工場と同じだ。

仕事を遅くすれば残業代が貰えるし、職務が停滞するのは人員不足のせいだと声高に叫べば失業することはないし、職員数が増えればヒラ職員も昇格のチャンスが出てくる。それに政府部門は民間企業と違って倒産する可能性は全く無いので、あとは出来るだけ合理化・効率化の邪魔をして、職場で仕事をしてるフリをしながら定年退職まで居座り続ければ良いのだ。そういえば筆者が辞めた会社もこの手の奴らが結構いたけど・・・。

従妹が「ヤマは越えたと思う・」と言い出した。移民局が言ってくるクレームがチマくなってきたからだと言う。本当かよ・?そのうち「私のマニキュアが剥がれちゃったから、柔らかい紙に印刷し直してください」とか言ってくんじゃねーか・・とか従妹と冗談を言い合っているうちに、目の前で筆者の番号が書き出された。カウンターは・・エッ?アッ!おーっ!信じられない!ついに16番カウンターだ!女房がガッツポーズをとった。筆者が行くと事務員に嫌味を言って全てをぶち壊しかねないので、女房と従妹が窓口に向かい何やら話し込んだ後、従妹がこっちを振り返り親指をグッと立てた。

OKサインだ!。朝9時半に入場してから6時間半、書類を突っ返されること5回、公証人事務所に行くこと2回、ついに申請が受理された。16番カウンターで請求金額の書いた紙を受け取り、その足で会計窓口に向かい10,780ペソ支払うと、領収書を2種類渡された。会計窓口のオバンが領収書のゼロックスコピーを取って16番窓口に渡してこいという。(何で申請者が使い走りをしなきゃいけないのか・・と今は頭に来ているが、その時は妙な達成感に満たされていたので気が付かなかった)。

移民局のビルを出て車に乗り込み領収書を見ると、1枚目には①料金明細、②次回の面接の日程と面接官の名前、③指紋採取の日程(また採るのかよ・・)、④13Aビザの発行予定日、が書かれている。料金明細の一番下にACR-ⅰカード費用とあるが、これは外国人が60日以上フィリピンに滞在する場合に取得が義務つけられている身分証明書のことである。筆者は3週間後に滞在60日目になるので、近所の移民局支部に申請しに行かなきゃな・・でも面倒だな・・と思ってたので、こっちが頼んでもないのにカード発行の手続きしてくれたことに少し感謝した。

さて2枚目を見ると料金明細にExpress Lane Fee(Certification)、Express Lane Fee(Filing)・・などエクスプレスの名称の費用が4つ並んでいる。総額2500ペソ。なにっ!エクスプレス?6時間半も待たせてスピード料金?しかも4種類だとぉ・・!!(怒)。この移民局のあまりの面の皮の厚さにあきれ果てた筆者ら一行は、今日一日の疲れもあり寄り道もせず真っ直ぐ家路へと急ぐことにした。